SIDS(乳幼児突然死症候群)の検索でいろいろ見た方も多いと思いますが、ただのまとめサイトは、窒息死と混同しているところが多いし、そもそもSIDSのことを理解されていない方が多いので、ちゃんと厚生労働省や各自治体のサイトをまずは見た方がいいですね。
そんな生意気なことをいいつつも、SIDSについて私見があり、またプロ集団が揃う保育所ではどうなのか、という現状を話します。
目次
厚生労働省のSIDS予防3つの約束
まず、SIDSの3つの予防方法は厚生労働省にしっかり3つ書いてあります。
・うつぶせ寝は避ける
・たばこはやめる
・できるだけ母乳で育てましょう
これらのおかげで保育所を含めた児童系の施設はいろいろ大変なんですよ。
保育所では呼吸チェックが義務づけられている
これが大変!本当に現場は呼吸チェックが大変なんです!
0歳児というのは、まだ生活リズムがついておらず、必ずしもお昼寝時に一斉に寝るとは限りません。
10時くらいに眠くなる子もいれば、昼寝時には起きてしまう子もいます。
そんな中で、0歳児の子が一人でも寝れば、その子に対し、5分間の呼吸チェックをやるわけです。
私の保育園では、呼吸をしている振動を感知する装置が、0、1歳児の園児数分用意してあり、
午睡時は常にオンになっています。電池式で電波問題もありません。
呼吸チェックの実態・・・
しかし、まぁ、はっきり言いますが、保育士が張り付いて5分間チェックしているところなんてほとんどないでしょう。
他の保育園からきた何十人もの話を聞きましたが、装置を取り入れていないところは、
行政が推奨しているやり方をやっていなかった事実がわかりました。
ただ、完全に目を離しているわけではなく、連絡帳などを書きながら「気にかけている」というところがほとんどです。
呼吸チェック表というのは命を守るものであってほしいけれども、事実上ただの「責任逃れのためのチェック表」です。
事件が起きれば、訴えられるのは行政です。行政にとっては裁判を起こされるのは、ものすごい負担になります。
なので、その責任逃れの材料の中で一役買うのが、このチェック表です。
うつぶせ寝対策の実態・・・
では、SIDSの原因の一つと言われている「うつぶせ寝」
またまたはっきり言いますが、家庭で、そして児童施設で、いちいちうつぶせ寝を全部、その都度直していると思いますか?
直しているわけないでしょ!そんなこと、非現実的過ぎますよね。夜中とかどうするんだって話ですよ。
うつぶせ寝に対しての私見
ここでちょっと私見を入れてみます。
なぜ、そもそもうつぶせ寝をするのか、です。
野生動物の多くは仰向け寝はしません。
弱点である内臓を守るためと、もう一つ大事なことは、「体温をなるべく逃がさないため」です。
お腹というのは非常に放熱に優れており、本来動物というのは、自分の体温を守るために、うつぶせ寝する生き物です。
人間だって、その本質は一緒です。
ただ、違うのは室内で寝るということです。
今の日本の便利な暮らしを考えてみてください。
床暖房がある家、保温性に優れた下着、快適な暖房・・・など、室内で凍え死ぬなんてことはありえないくらい、便利なものにあふれています。
そして、大抵の家庭で赤ちゃんに対し、着せ過ぎが目立ちます。
つまり、言いたい事は、赤ちゃんが熱をためこんでしまう環境が整っているということです。
都市部の新しい保育所も床暖房のところが多いそうです。
赤ちゃんとうつぶせ寝と熱の因果関係
では、赤ちゃんとうつぶせ寝、そして、熱の因果関係はどういう繋がりとなるのでしょうか。
赤ちゃんは体温調節が未熟です。
実はSIDSの事例の多くは、体調不良による高熱、初めての入所によるストレス性の高熱があったという事例が多いのです。
保育所等で死亡事故が起きた場合、ほとんどのケースで「うつぶせ寝だったのかどうか」が書かれています。
赤ちゃんが体温を適切に放熱できだかどうかは、ほぼ書いてありません。
赤ちゃんがうつぶせ寝で寝ている時の体温の上昇率をご存知でしょうか?
保育士なら大体経験でわかるのですが、お昼寝後に一気に上がります。
これは体調不良ではなく、うつぶせ寝によって放熱が妨げられ、体温が上昇したからなのです。
また、お昼寝時、手足を布団で覆うと、さらに放熱が妨げられます。
この時に「熱があるのでお迎えにきてください」なんて電話かけてくる保育所もあるかもしれませんが、一時的な可能性もあるので、注意が必要です。
放熱を妨げられるとどうなるか、
例えば、体調不良で熱が上がった→お迎えが中々来られないから布団に寝かせた(うつぶせ寝)→保温性の高い布団をかけた→部屋は暖房がついていた、とすると、赤ちゃんの体温はどんどん上がり、脳の呼吸系の命令にエラーが出ることがあるそうです。これがSIDSなのではないかという私見です。
つまり、SIDSは突然死ではなく、環境悪による死亡だという可能性もあるわけです。
SIDS寸前の事例
一つの事例があります。
ある初めての入所の子どもが機嫌が悪いので、抱っこ紐で抱っこしました。
しばらくすると、みるみるうちに赤ちゃんお顔色が悪くなり、呼吸が停止していることに気がつきました。
プロである保育士はすぐに心肺蘇生と救急援助要請を出し、その子はとくにその後何事もなかったわけですが、この事例を検証すると、、
保育者のお腹と赤ちゃんのお腹がくっついている状態って、かなり体温上昇してしまうのではないか、ということです。
ここに様々な環境が合えば、SIDSになっていたかもしれないです。
結局何が言いたいのかというと!
自分が言いたい事はこれです。
「うつぶせ寝は避けましょう」
→ 「着せ過ぎ、暖めすぎ、赤ちゃんの体温上昇に気をつけましょう」
です!
とはいっても、SIDSの原因ははっきりと断定されていませんから、こんなのただの私見ですが、「うつぶせ寝は避けましょう」があまりに理不尽で、かつ保育者のストレスになっているので、ちょっと書いてみただけです(´д`)
この記事によって、SIDSの可能性を広げられ、一人でも多くの命が助かれば幸いですm(_ _)m
(生意気言ってすみません)
tasukuism
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さん
フォロー有難う御座います。(*’▽’*)
宜しくお願い致します。(^_^)ゞ
こちらこそ、よろしくお願いします (*゜ー゜)ノ
私が過去10年以内に勤務した16園中、9園の園がちゃんと5~10分ごとの睡眠チェックをしていました。できるわけないのではなく、できるわけないと言い訳にしているように思います。
匿名さん、コメントありがとうございます!
僕が警笛を鳴らしているのは、その16園中7園のちゃんとした呼吸チェックができていない園についてです。
その割合の低さ、どう思いますか?
呼吸チェックは各自治体のルールで必須となっているのにもかかわらず、監査では呼吸チェックをした証拠である「チェック表」を見て終わり。
実際に蓋を開けば、それだけの園がやっていないんですよ!?
この記事は、やらなければいけないことをやっていないという事実を多くの人たちに知っていただき、
ちゃんとやるように皆で見てほしいのです。
匿名さんは、そのやっていない園をちゃんと告発して、「実際やっていないこと」を役所に届け出てください。
そういった行動が、この呼吸チェックの甘さを変えていけます。
よろしくお願いします m(_ _)m