ここのところ保育士が逮捕されるという事例が続いていますので、認可保育所の職員として思い当たることを書きたいと思います。
現在の保育業界は、国会でも保育士の処遇について取り上げられたり、待機児童のことが問題になったりと、注目が集まるようになりました。
保育業界も介護業界と同じ理由で利用者虐待が行われる
ついこの間、障がい者施設の方で利用者に対する暴力やマッサージの強要などが取り上げられ、
高齢者向けの施設では、利用者を窓から放り投げて殺害するなどという痛ましい事件がありましたね(-_-;)
これらの全てに共通することは、「職員の目の前に自分よりも弱い立場の人間がいる」ことです。
職員のストレスの矛先は、同僚や上司ではなく、子ども、老人や障がい者といった、利用者である弱者に向けられるのです。
なにがストレスになるのか?
一番は給料なども含めた処遇です。そしてこれは、職員の力では最もどうすることもできないことでもあります。
保育も介護も肉体的かつ精神的に消耗する仕事です。
保育士は、園児とだけ関わっていれば、そんなに多くのストレスを抱えることはないでしょうが、保護者対応や職員同士のコミュニケーションでひずみが起きると、そのストレスを園児にぶつけます。
そういったストレス下におかれながら、低賃金であれば、当然ストレスは倍増します。
処遇だけがストレスの問題ではない
かなり偏見になりますが、新卒の保育士のコミュニケーション能力は年々低下していると思います。
というのも、一般的な保育士は高卒→専門や短大→就職というパターンを辿るのが最も多いので、言葉遣いや対大人に対するコミュニケーションはサービス系のアルバイトなど経ていないと、身に付きません。
これらのことは、本来は家庭でクリアする問題であり、家庭で身に付かなければ学校、そこが無理ならそれ以外ということになりますが、よっぽど就職した保育所などで社会人マナーの指導をしない限り、ずっと変わりません。
だから保護者を怒らせたり、同僚同士でもめたりすることが増えます。
実は、保育業界の最大のストレスは「人間関係」なのです。
保育士が起こす事件は氷山の一角
冒頭でも述べましたが、保育士による園児いじめは氷山の一角です。
実際に他の職場を経験した職員の話ですが、ネグレクトだと疑われる園児を保育士たちが「気持ち悪い」などと罵声をあびせ、いじめていたようです。もちろん、止めるものはなく、誰もが当たり前にいじめていたそうです。
保育士によるいじめの解決として難しいところは、園児は正確に事実を話せない、というところだと思います。
それを逆手にとって、「このくらいは大丈夫」と、それが段々とエスカレートしていくのだと思います。
保育士の平均勤続年数の低さも問題
全国での保育士の平均勤続年数は6年程度です。
さらに、利益重視型の保育所は人件費がかさむことを避けるために、敢えて、職員を1~2年で入れ替えてしまいます。
こういう背景が絡むと、いじめの温床をずっと放置しつづけることになり、親の見えていないところで、精神的ないじめを受けています。
とくに、玄関先から先に入れてくれないような施設は要注意です。
保護者であれば誰でも、いつでも中に入れるような保育所に、子どもを預けることをお勧めします。
まとめ
このような事件はこれから先もずっと起こると思います。むしろ、園児いじめはかつてより行われており、度が過ぎたものが取り上げられているだけです。
処遇のみ改善しても、このような事件が減るとは思いません。
新米保育士のコミュニケーションスキルをどうやって伸ばすのか、そのあたりも注目して欲しいところです。
tasukuism
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